雑記9 宗教棚をつくる2
いつも仕事で走る道で、不法投棄がむちゃくちゃ多いところがある。
そこは海岸沿いの一方通行で、防波堤と工場のフェンスに遮られ外部から全く見えない。一車線しかない細い道なので警察が張り込む余地もない。冷蔵庫とかブラウン管テレビなどの不法投棄の定番が無造作に転がっている。
誰にも見られなかったり、処罰される恐れがないとなるやとたんにモラルを失う人がいる。
仮に「いまからあらゆる法律がなくなります」と言われたとき、すぐさま強盗殺人を犯す人間ってどれぐらいいるんだろうか。
「常に神が見ている。自分の行いはやがて裁かれるときがくるのだ。」という感覚を持つことができれば、人はモラルを保つことができるんだと思う。
これが信仰心をもつことの一番のメリットだと思う。
ちょっと宗教関係の本を読んだので、宗教棚に加えていく。
1.
- 作者: 渡辺照宏
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仏陀は、すべての人がそれぞれの立場で苦悩を解決するように指導した。
仏教の思想もしっかり解説してくれるが、成立⇒伝播までの歴史や、聖典の成立を追う歴史パートもある。
好きな人にとってはかなり面白いんじゃないかと思う。
仏教の興味深いところは、聖典が恐ろしく多いということ。いろんなところからいろんな語訳のものなどが出土していて、考古学としても面白いと思う。
そして、宗派によってその中のどれを重要視するかが変わってくるのも大きな特徴だと思う。同じ聖書に対する解釈の違いで教派がわかれたキリスト教とは対照的である。
仏教には方便という概念がある。仏陀は話す相手のレベルに合わせた表現で教えを説いた、といわれている。これはつまり、どんなに表現や例えを変えようとも、絶対にぶれない根本となるアイディアがあるということになる。
「仏陀の教えのエッセンスが凝縮された本当の聖典はどれだ!」
「これだ!」
「いやいや、あんたらの拝んでいる聖典はただの例えば話なんだよ。この聖典こそが仏教の真髄!」
という感じで、宗教も人と人、社会のムーブメントの一つだと思うと興味深い。
- 作者: 浅山太一
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「信仰の純粋さを維持すること」と「その時々の状況のなかで合理的な政策を選択すること」は多くの場合トレードオフの関係にある。
「なんで創価学会の人って公明党を支持してるの?(しないといけないの?)」
という疑問に一番答えているんじゃないかと思う。
創価学会関係の本というのは、とにかく創価学会を絶賛する身内本か、情報源もあやしい週刊誌みたいな本が多い。本書は、あくまで創価学会が公に発行した刊行物からの引用にとどめ、その推移を整理・分析することで創価学会のスタンスを解説していく。
著者がそもそも創価学会員ということもあって、皮肉のきいたツッコミも面白いが、あくまで落ち着いたトーンで論じているのが印象的。
本書を読めば、「なんで平和を重んじる公明党が、保守的な自民党にひっついてるんだよ。」とは軽々しく言えなくなるだろう。簡単にいえば、公明党および創価学会は、宗教政党としては「かなりうまくやっている」部類なのである。
だけど実際の創価学会員にとってみれば、冒頭の引用は胸に突き刺さるものがあるんじゃないか。なかなか哀愁を感じる部分もある。
宗教棚、まだ8冊しかない。
以上